「また適職診断の結果は営業職でした…」そんな絶望的な結果を何度見たことでしょうか。
対人恐怖症の私にとって、世の中の適職診断は全く役に立たない代物でした。むしろ「自分には向いている仕事なんてない」という絶望感を深めるだけの存在だったのです。
でも今、私は心から「これが天職だ」と思える仕事に出会えています。適職診断に騙され続けた私が、本当の天職にたどり着くまでの道のりをお話しします。
適職診断の「罠」にハマった私の失敗体験
一般的な適職診断が対人恐怖症に合わない理由
世の中にある適職診断の多くは、健常者を前提として作られています。私も30代の頃、転職を考えて数十種類の適職診断を試しました。
結果はいつも同じパターンでした:
- 営業職(コミュニケーション能力を活かそう!)
- 接客業(人と接することが得意ですね)
- マネジメント職(リーダーシップがありそう)
「冗談じゃない」と思いました。私は人と話すだけで冷や汗が出るのに、なぜこんな結果になるのでしょうか。
診断結果に従って失敗した転職体験
実際に診断結果を信じて転職した経験があります。35歳の時、「営業職が向いている」という診断結果を受けて、IT企業の法人営業に転職しました。
結果は散々でした。
- 初回訪問で緊張しすぎて商品説明が頭に入らない
- 電話をかけるだけで手が震える
- クライアントとの食事会で一言も話せない
- 3ヶ月で体調を崩して退職
この経験で「適職診断は対人恐怖症には使えない」と痛感したのです。
本当の天職を見つけた「3つの気づき」
気づき1:診断ツールより自分の体感を信じる
転職に失敗した後、私は発想を180度変えました。診断結果ではなく、「自分の体が楽になる瞬間」に注目したのです。
具体的には:
- どんな作業をしている時に時間を忘れるか
- どんな環境にいる時にストレスを感じないか
- どんな成果物を作った時に達成感があるか
私の場合、パソコンでシステムを構築している時間が最も心地よく、人と直接関わらなくても価値を提供できる瞬間に充実感を覚えました。
気づき2:「弱み」を「強み」に変換する思考法
対人恐怖症は確かにハンディキャップです。でも角度を変えると、これが武器になることに気づいたのです。
私の「対人恐怖症の特性」を「ビジネススキル」に変換すると:
- 人との接触を避けたがる → 集中力が高く一人作業が得意
- 細かいことが気になる → 品質管理能力が高い
- 失敗を極度に恐れる → リスク管理能力に長けている
- 他人の目を気にしすぎる → 顧客視点で物事を考えられる
この変換思考が、私の人生を大きく変えました。
気づき3:「市場価値」と「個人適性」の両立点を探す
天職とは「好きなこと」だけではありません。「市場で求められていること」と「自分ができること」の交差点にあります。
私が見つけた交差点は「IT系の業務効率化コンサルティング」でした。
- 市場ニーズ:中小企業のデジタル化支援需要が高い
- 個人適性:システム構築が得意、一人作業が好き
- 収益性:専門性が高く単価を上げやすい
この3要素が重なった時、「これが天職だ」と確信できたのです。
実際に行った「真の適職診断」プロセス
ステップ1:「快適ゾーン分析」を実施
一般的な適職診断の代わりに、私が行ったのは「快適ゾーン分析」です。
1週間にわたって、1時間ごとに以下を記録しました:
- ストレス度(1-10点)
- 集中度(1-10点)
- 充実感(1-10点)
- その時の活動内容
結果、「一人でパソコンに向かってシステムを構築している時間」が最も高スコアでした。
ステップ2:「スキル棚卸し」で武器を整理
次に、対人恐怖症の私でも身につけてきたスキルを整理しました:
技術スキル
- Excel VBAでの業務自動化
- 簡単なWebシステム構築
- データ分析と可視化
ソフトスキル
- 一人で黙々と作業を続ける持続力
- 細部への異常な注意力
- 失敗を想定したリスクヘッジ能力
これらを組み合わせると、「一人でできるIT系業務支援」という分野が浮かび上がりました。
ステップ3:「小さく始める」検証アプローチ
いきなり転職するのではなく、副業から始めました。
最初は知人の会社のExcel業務を月1万円で引き受けることから。徐々に単価を上げ、クライアントを増やし、1年後には月収30万円を超えていました。
この段階で「これなら本業にできる」と確信し、独立に踏み切ったのです。
天職に出会って変わった私の人生
収入面での変化
適職診断に従って営業職に就いていた頃の年収は450万円程度でした。現在は年収800万円を超え、かつストレスは大幅に減少しています。
何より、「お客様から感謝される」という体験が自信につながりました。対人恐怖症でも価値を提供できることが実感できたのです。
精神面での変化
以前は毎朝「会社に行きたくない」と思っていましたが、今は「今日はどんな課題を解決しようか」と前向きに考えられます。
対人恐怖症の症状も完全になくなったわけではありませんが、「これも私の個性の一部」として受け入れられるようになりました。
家族関係の改善
仕事でのストレスが減ったことで、家族との時間も質が向上しました。妻からは「最近表情が明るくなった」と言われますし、子どもたちとも以前より深い会話ができるようになりました。
対人恐怖症の方へ、天職を見つけるための3つのアドバイス
1. 一般的な適職診断は参考程度に留める
世の中の適職診断は健常者向けに作られています。私たちには私たちなりの天職の見つけ方があります。
診断結果よりも、自分の体感と経験を信じてください。
2. 「苦手なこと」から「得意なこと」を逆算する
対人恐怖症だからこそ身についたスキルがあります。それを武器として活用する道を探しましょう。
私の場合、「人を避けたい」が「集中力の高さ」に、「失敗を恐れる」が「品質へのこだわり」に変換できました。
3. 小さく始めて段階的にスケールアップする
いきなり大きな転職はリスクが高すぎます。副業や小さなプロジェクトから始めて、手応えを感じられたら本格的に取り組みましょう。
まとめ:あなただけの天職は必ずある
適職診断の結果に落ち込む必要はありません。それらは私たちのような特性を持つ人向けに作られていないからです。
本当の天職は、あなたの特性を理解し、それを武器に変えることで見つかります。
私がようやく天職に出会えたように、何歳からでも人生は変えられます。あなたにも必ず、心から「これが天職だ」と思える仕事があるはずです。
諦めずに、自分らしい働き方を探し続けてみませんか?


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